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2013.04.28 Sunday

最強のふたり

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    先週、シャンと二人で映画鑑賞。



    最強のふたり(フランス映画)

    20121206190443.jpg



     実話を基に、全身麻痺の富豪と、彼の介護人となった貧民層の黒人青年との交流と友情を描いたストーリー。



     「感動作」「泣けるエピソードのパッチワーク」が常識化してしまった映画業界に、一石を投じる改心の良作。


    見た目いかにもな雰囲気を、冒頭のカーチェイス、そしてアースウィンド&ファイアーのご機嫌なダンスナンバーで払拭する演出もさることながら、主人公二人の心境や気持ちの変化を丁寧に汲み取り、時にユーモアを交えつつも美しい物語へと昇華させている点は、非常に好感が持ててグッド。




     実話ベースとはいえ、明らかに過剰な創作をブッ込み、台無しにしてしまうような過ちは侵さず、また中途半端な奇跡で無理矢理ハッピーエンドに落とす事もなく、しかしエンターテイメントとして骨組みはしっかりと残し、最後まで観客を飽きさせない作りも高ポイント。



    まったく私見ながら、フランス映画らしいどこかアンニュイな空気を纏いつつ、ムダを省いて大事な部分だけを浮かび上がらせる、引き算の美学をも感じた。


     ところで本作、聞けばハリウッドでリメイクが決定しているらしい。正直やめときゃいいのにとは思うのだが。
     







    プチ情報♪


    フランス映画『最強のふたり』は、『千と千尋の神隠し』の記録をも上回った。



     これまで、英語以外の映画での史上最高の興行成績は、『千と千尋の神隠し』の2.749億ドルだったらしいが、2012年3月20日、『最強のふたり』がこれを超えたのだ。


     しかも『千と千尋の神隠し』の収益の大半が日本一国によるものなのに、『最強のふたり』は世界各国でヒットしており、2012年3月20日以降に公開された国々でも動員が伸びている。



     それももっともだろう。
     本作は実に気持ちの良い作品であり、どこの国の人にとっても普遍的な物語だ。


     題名になっている最強のふたりとは、中年のフィリップと青年ドリスのことである。立場も嗜好も異なるこの二人の交流が、本作の主題だ。
     なにしろ、フィリップは大富豪、ドリスは貧しい無職の男だ。フィリップが好きなのはクラシック音楽や美術品、一方ドリスが好むのはファンクミュージック。何もかもが正反対の二人なのだ。
     そして最大の違いは、ドリスは五体満足だが、フィリップは首から下が麻痺して動かないことである。

     これまでにも身体障碍者が登場する映画は数々あった。
     そこでは障碍が物語の中心となり、障碍をこうむった経緯であるとか、障碍を抱えた主人公の苦悩や葛藤が描かれることが多かったように思う。


     ところが、本作が特徴的なのは、障碍についてのあれやこれやをほとんど取り上げない点である。

     障碍をこうむった経緯なんて、セリフでちょっと触れるだけだし、フィリップの抱える苦悩は、障碍そのものよりも障碍があるために生じる人間関係なのだ。


     そしてドリスのがさつな人物造形も手伝って、障碍はまるでギャグのネタのように扱われる。

     たとえば、ドリスはフィリップの麻痺した足に熱湯をかけたり、熱いヤカンを押し当てたりして、フィリップが熱がらないか試している。


     また、雪の日にフィリップを連れ出して、雪合戦に興じてもいる。もちろんフィリップは雪つぶてを投げられないから、一方的に雪をぶつけられるだけだ。


     さらに、フィリップが抵抗できないのをいいことに、ドリスはフィリップの髭を変な形に剃って大笑いする。

     このように書くと、本作を見ていない人はけしからん描写だと眉をひそめるかもしれない。あるいは、とんでもないブラックユーモアを仕掛けた作品だと誤解するかもしれない。


     ところがこれらのシーンであっけらかんと大笑いする。いずれのシーンも、すがすがしいくらいに楽しいからだ。


     ドリスの行動は意地悪なものではなく、友人同士に見られるような悪ふざけなのだ。

     本作におけるフィリップの苦悩は、障碍そのものというよりも、周囲が障碍者扱いすることである。


     フィリップは何をするにも他人の介護を要するから、常に誰かが周囲におり、プライバシーなんてものはない。彼らは、朝から晩までフィリップの健康を気遣い、管理を徹底しようとする。周囲の人間にとって、フィリップは管理すべき対象物だ。フィリップは勝手に破目をはずすこともできないし、他人に隠れてこっそり悪さをすることもできない。



     そんな彼の前に現れたドリスは、一緒にマリファナを吸ったり、二人でスポーツカーを駆ってスピード違反で追われたりと、フィリップの健康にお構いなしの傍若無人ぶりを発揮する。
     その善し悪しはともかく、フィリップにとってはドリスが唯一悪ふざけの相手なのだ。




     一歩間違えれば不快な描写になりかねないところを、絶妙のさじ加減。だからこそ、安心して笑っていられる。
     


     また、本作は健常者のドリスが障碍者のフィリップに接する、というだけの映画ではない。
     映画の中盤、フィリップは親戚の者から忠告される。ドリスは前科者だ、あんな者を周りに置くのは良くないと。
     その忠告を一蹴するフィリップは、ドリスにとって前科者とか貧困層という色眼鏡で見ない唯一の金持ちだ。





     人間誰しも、持っているものもあれば、持っていないものもある。
     持っている者同士、持っていない者同士が固まれば、立場が同じだから話は早い。
     けれども本作は、立場が違っても人と人とは交流できることを示している。そして心の交流があればこそ、悪ふざけもできるのだと。




     本作は実話に基いており、映画の試写にはモデルになった二人も招かれた。
     公式サイトによれば、映画が終わると本物のフィリップは目に涙を浮かべて、「私は両手で拍手しているんだ!」と微笑んだということだ。




    最後に映画のオープニングで暴走しながら曲をどうぞ♪






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